私はヘタレに恋してる

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「そんなことない、高校の時から橘は面倒見のいい子だったよ」   そういって笑顔を見せて私の頭をぽんと撫でてきた。 ずるい、毎回。  放っておけなくなるじゃない。  先輩の彼女になる子は、か弱そうな可愛らしい女の子ばかり。そういう子がタイプなのは知ってるし、私は真逆だから絶対見向きもされないのわかってる。 ____なのに、また心を掴まれる。  泣きそうになる顔をきっと引き締めて、先輩に問いかけた。 「帰れますか?」 「うん、大丈夫。ありがとな」 「いいですよ、気をつけて、ちゃんと帰ったら連絡してくださいね」 「お前は母親か」  突っ込みながらも、立ち上がって『じゃあな』と玄関からすぐ外に出ていった。 告白する勇気がわかずずるずる2年も同じことの繰り返し。 何やってんだろ………。  私は、じわじわ出てくる涙を拭きながらシャワー室に向かった。
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