4、友情と恋の行方

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「杏ちゃん」  体育館を離れ、一成先輩が見えなくなったところで、広夢くんが当然足を止めた。   「?」 「手が……」  広夢くんは苦笑しつつも、自分の手の方に視線を向ける。……? ああ! 「あっ。ご、ごめんね」  手を繋いだままだったことにようやく気がつき、パッと手を離す。必死過ぎて気がつかなかったよ〜。  恥ずかしさから、ついうつむいてしまう。 「そのままでも良かったんだけど」  そんな言葉をかけられ、私はパッと顔をあげる。  少しはにかんだような笑顔を浮かべている広夢くんと目が合う。好感度ゲージは、すでに半分を超えている。  これって、ものすごくいい感じ?  このままハッピーエンド迎えられるんじゃ? 「それとも、誤解されたら困る人でもいるの?」  そう言われて、悠真の顔が思い浮かぶ。  ……いやいや。悠真はお助け役の幼なじみなんだから、誤解も何もないのに。   「そんな人いないよ」  浮かんだ悠真をかき消すように、首を横に振る。 「悠真はただの幼なじみだから」 「悠真って?」  キョトンとした表情を浮かべる広夢くん。  し、しまった。つい……。  墓穴掘った?  好感度は下がってないみたいだけど、どうにか切り抜けないと。こんな時に限って選択肢は出てくれないし……! 「広夢くんこそ、そういう人いないの? 千夏ちゃんとか……」  何を言ったらいいのか分からなくなって、聞き返しちゃった。  なんか、どんどん状況が悪化してる気がする。  相変わらずの残念なコミュ障ぶり。
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