2、バッドエンドしかない乙女ゲーム、攻略開始

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 わけがわからないまま、一階に降りていく。    キッチンに立っているお母さんの後ろ姿に「おはよう」と声をかける。すると、お母さんがくるりと振り向いた。 「やっと起きたのね。あら、まだパジャマなの? 早く制服に着替えないと、朝ごはん食べる時間なくなるよ」  そう言ったお母さんは明らかに昨日までよりも若返っていて、私は言葉を失ってしまう。お母さんまで……。  どうなってるの?    しばらく呆然と突っ立っていたと思う。そんな私に、お母さんは訝しげな視線を向けてきた。 「いつまで寝ぼけてるの。早く支度しなさい」 「う、うん……」  どうなってるのか聞きたかったのに。お母さんがあまりに急かしてくるので、聞けなかった。  促されるままに朝ごはんを食べ、顔を洗い、二階のクローゼットにかけてあった制服に着替える。  白いフリルのついた紺色のスカートを履き、白のYシャツを着て、赤いリボンを結ぶ。最後に、紺色のブレザーを羽織った。  この制服って、私がつい最近やってた乙女ゲームの学園のものだよね。そうなると、……。  制服を着て考え込んでいたら、また下から「杏〜!」とお母さんに大きな声で呼ばれ、家から追い出されてしまった。
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