第23話 はなれていても、そばにいても

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「ありがとう。私も、次に来る人がカナンみたいな人だったとしても、カナンとはずっと仲良しでいる」 「うわ、想像したこともなかった。あたしみたいな人が来たらどうなっちゃうんだろう」 「にぎやかになるだろうね。私がしゃべる間なんてなくなるかも」 「それは困るなー。やっぱ面接が必要だね。次の入居者はあたしたちの審査をくぐり抜けた人に限る」 「そんなアパート聞いたことないよ。確かに、それができたらいいかもしれないけど」 「もしくは、こういう人募集、みたいなことを先に伝えておくとか。誰かとキャラがかぶらないようにしたいよね」 「それだと馴染まない可能性もあるんじゃないかな……」 「いや、そんなことないでしょ。どんな人が来たら楽しくなるかな。ちょっと考えてみようよ」  そんなわけで、私たちは時間を忘れて未来の新人さん像を思い思いに語り合った。  誰も来ないことを望むより、こっちのほうが気分はいいよね。  九時過ぎにカナンの部屋に来たはずだったけど、気づけば十一時になっていた。  しゃべり続けてのどが渇いてきた。明日は普通にお仕事だし、今日はここらで切り上げようかな。
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