16人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとう。私も、次に来る人がカナンみたいな人だったとしても、カナンとはずっと仲良しでいる」
「うわ、想像したこともなかった。あたしみたいな人が来たらどうなっちゃうんだろう」
「にぎやかになるだろうね。私がしゃべる間なんてなくなるかも」
「それは困るなー。やっぱ面接が必要だね。次の入居者はあたしたちの審査をくぐり抜けた人に限る」
「そんなアパート聞いたことないよ。確かに、それができたらいいかもしれないけど」
「もしくは、こういう人募集、みたいなことを先に伝えておくとか。誰かとキャラがかぶらないようにしたいよね」
「それだと馴染まない可能性もあるんじゃないかな……」
「いや、そんなことないでしょ。どんな人が来たら楽しくなるかな。ちょっと考えてみようよ」
そんなわけで、私たちは時間を忘れて未来の新人さん像を思い思いに語り合った。
誰も来ないことを望むより、こっちのほうが気分はいいよね。
九時過ぎにカナンの部屋に来たはずだったけど、気づけば十一時になっていた。
しゃべり続けてのどが渇いてきた。明日は普通にお仕事だし、今日はここらで切り上げようかな。
最初のコメントを投稿しよう!