第23話 はなれていても、そばにいても

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「カナン、ちょっとリビングに行かない? 私、のどが渇いちゃった」 「いいよ。あたしも何か飲みたい」  カナンはお酒を飲みたがるのかな。  今は全然そんな気分じゃないけど、カナンも同じだといいな。 「あ、そうだ。今日はこのまま一緒に寝ようよ」  立ち上がってカナンの部屋から出ようとしたところで、カナンがこう言った。  とてもいい笑顔だった。 「ごめん、できれば自分の部屋で寝たいかな」 「えー、なんで?」  そんな悲しそうな顔しないでよ。  私の弱い意志は簡単に折れそうになったけど、理由を話せばわかってくれるかもしれない。 「今日は、特別な夜だから」 「どういうこと? 特別なんだから、たまには一緒に寝ようよ」 「ううん。ただの特別じゃなくて、今日は七夕でしょ」  私はわざともったいぶった言い方をする。  カナンはきっとわからないだろう。
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