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そういって、電話越しで笑う孝太郎さんにつられて、俺もくすっと笑ってしまった。
孝太郎さんとの通話を終えて、柚に連絡を送る。
『今度あって話せないか?』
『もちろん、平日でも、休日でも空いてるわ』
『水曜日19時場所は考えておく』
それだけ送ると、まだ続きそうなラインの返事が来たが、返事はしなかった。
水曜日。公園にしようかとも考えたが、六本木のカフェに決めた。先につき、ホットコーヒーを飲みながら柚を待っていた。すると、待ち合わせ時間から10分ほどしてから、ニットのフレアワンピースを着た柚が店内に入ってきた。すぐに俺のことを見つけ、対面の席に腰掛けていた。
「千里、声をかけてくれてありがとう」
「飲みたいもの頼め」
そういって、メニューを差し出すと、柚はキャラメルラテを選んで店員に頼んでいた。そして、おれに笑顔を向けてきた。
「これからどこに行くの?このあたりだと、ホテルのフレンチかしら?それとも、日本懐石?」
「どこにも行かない。ここで話すだけだ。
「……え、なんで?」
「俺は、谷貝とは結婚しないって言うために来ただけだから。期待もたせるような態度はとらないよ」
「どうして……?名前……呼んでくれないの?」
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