◎言葉以上の告白

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 そういって、電話越しで笑う孝太郎さんにつられて、俺もくすっと笑ってしまった。 孝太郎さんとの通話を終えて、柚に連絡を送る。 『今度あって話せないか?』 『もちろん、平日でも、休日でも空いてるわ』 『水曜日19時場所は考えておく』  それだけ送ると、まだ続きそうなラインの返事が来たが、返事はしなかった。  水曜日。公園にしようかとも考えたが、六本木のカフェに決めた。先につき、ホットコーヒーを飲みながら柚を待っていた。すると、待ち合わせ時間から10分ほどしてから、ニットのフレアワンピースを着た柚が店内に入ってきた。すぐに俺のことを見つけ、対面の席に腰掛けていた。 「千里、声をかけてくれてありがとう」 「飲みたいもの頼め」  そういって、メニューを差し出すと、柚はキャラメルラテを選んで店員に頼んでいた。そして、おれに笑顔を向けてきた。 「これからどこに行くの?このあたりだと、ホテルのフレンチかしら?それとも、日本懐石?」 「どこにも行かない。ここで話すだけだ。 「……え、なんで?」 「俺は、谷貝とは結婚しないって言うために来ただけだから。期待もたせるような態度はとらないよ」 「どうして……?名前……呼んでくれないの?」
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