好きって言ったな?

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 何回聞いても驚くストーリー。  そんなドラマみたいなこともあるのか。凄いなぁ。と。そこから2年、二人は隣で笑い合ってる。なんて素敵なんだろう。  三人が高校時代の話をして盛り上がっているのに耳を傾ける。文化祭、先生、クラスの誰かにあった、みたいな話を聞いてると、昔に戻った感覚になる。 「麻海はなんか覚えてることないの?」  思い出話を聞いてるだけのはずが、芽衣に尋ねられた。はて、と考えてみると、私は3年間カメラしか触ってないなと改めて実感する。 「んー……三年生のとき、同じクラスに佐藤って苗字の子が二人いたの。覚えてる?」 「あ、有美ちゃんと武くん?」 「うん。有美は佐藤くんのこと毛嫌いしててね、日直一緒だったときに、名簿にデコピンしてたから、どうして嫌いなのか聞いてみたの。  そしたら、こいつのせいで佐藤(有)になるって。こんなの有限会社だよ?町工場じゃん、ネジ作ってんのかよ。って言ってて、関心したの。なるほどなぁって」 私が話し終わると、三人とも笑い出していた。 「はははっ……!佐藤さん、それ言う相手が麻海でよかったな………はは、……腹いてぇ……!」  隣の千里は涙を流しながら、顔を真赤にして笑っていた。お酒も入ってるから、よけい面白く聞こえたらしい。
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