好きって言ったな?

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 何故か、私が気まずい気分になった。今まで沢山結婚の話はあったはずなんだよね。今、私がこんなに申し訳なくなることは筋違いかもしれない。でも、謝罪が頭をよぎってしまう。 それを察した芽衣が立ち上がった。 「ケーキ食べよー!どれにしようかな」  「4つずつノルマな。食べきれなかったら持って帰って」  千里は椅子から立ち上がり、それぞれ選んだケーキを小皿に入れて出していた。それからコーヒーを淹れるために席を立ったので、手伝おうと私もキッチンに追いかけた。マグカップを4つ出して千里がデロンギで作られたホットコーヒーを注いでいく。 「麻海、このあと時間あるか?」 「うん」 「家で二人きりは平気か?」 「うん、大丈夫だよ」 「話したいから残ってくれるか?」 「わかった」  ホットコーヒーを入れ終わり、芽衣と加賀くんにだしてあげた。四人でゆっくりコーヒーを飲みながら、ケーキを食べるのもなかなか乙な時間だった。
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