御曹司は傷ついた幼馴染を優しい愛で包み込む

◎じゃれあって、手を繋いで

　大輔が、結婚の準備で忙しくしているなか西原さんと喧嘩をしたらしい。

　仕事終わりに、泣きつかれて、俺の家で少しだけ飲むことになった。二時間ほど話を聞くだけで落ち着くのが、いつもの大輔だ。西原さんとちょっと喧嘩をするとすぐ俺に泣きついてくる。最近は結婚式の準備をして、少し衝突することが増えたらしい。

「千里、また芽衣のこと怒らせちゃった〜っ』

「今日は何したんだよ」

　買い物行ったのに片付けまでしないだの、洗濯物を色の有り無しをわけないだの、靴下を脱ぎっぱなしで放置だの、毎回くだらないことで喧嘩する二人。今回は結婚式についてだった。

「招待リスト作成してるときに、二階堂さん写真取ってくれたのに招待しないんだねって言ったら、前にその話したよ、私の話なんにも聞いてないんだねって怒られてさ…………口聞いてくれなくて………」

　可愛らしい顔で、半べそをかいている。家のソファに腰掛けて、柿ピーをつまみに話を聞いてやっていた。俺の家を我が家のように使う大輔は絨毯に寝転がり、ゴロゴロと寝返りを打っていた。

　この前、麻海が二人のウェディングで使う写真撮影をしていた。その時、俺の家で四人で結婚祝いのプチパーティーを開いた。