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それから4日後。
その時も、麻海がちらりと参加できないことを話していたし、西原さんも、たぶん一回は話してるのだろう。それを覚えてない大輔が悪い。
「いつの話だよ」
「………一昨日……それから1回も口聞いてくれない」
「謝ったのかよ?」
「芽衣だって聞いてくれてないことあるじゃん、て言い返しちゃったんだよ」
項垂れている大輔をよそに、俺は立ち上がって冷蔵庫からチューハイを2本出した。寝そべる大輔の頬にあててやるも、冷たいと抗議しつつ、座り直して缶の蓋を開けていた。
「ほんと、仲いいよな、お前ら。」
「喧嘩ばっかりだよ……しかも毎回くだらないし」
二人の喧嘩の場合は、ただのじゃれ合いというレベルだということは言わないでおこう。
「自分の気持ち隠すより何倍もいいことだろ。それに、お前らの場合は、喧嘩がコニュニケーションの一環みたいなもんだろ。俺は羨ましいけどな。そうやってまっすぐ意見を言い合えるのはお互いに好きだからだろ?」
「そっか……、千里に言われるとなんかバカバカしくなってきたわ」
「だろ。ほら、もうすっきりしたなら、コンビニで西原さんの好きなあたりめでも買って帰れ」
「うん、ありがとう。千里。俺帰るわ」
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