【コミカライズ】悪役令嬢だと言われて婚約を破棄されたので、隣国で魔法の研究者になろうと思います。

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(信じられないくらい失礼な御方ですこと。いえ、前々から知ってはいましたが)  カロリーナはこめかみをおさえた。 「お断りいたしますわ」 「そうか、ただちに戻ってくれるか! ……え?」 「お断りしますと申し上げたのです。殿下。恐れ入りますが、わたくしはマギアの王立魔法研究所の立派な職員です。ここを離れる訳にはいきません」  婚約破棄されたときと同じ、毅然とした態度。 「研究所の職員だと? そんなもの、何になるというんだ。私と結婚した方が、一生安泰に暮らせるぞ」 「殿下とは結婚いたしません。王族たるもの、一度なさった決断を翻すことはおやめください」 「……このっ、生意気な女め!」  アンリは右腕を振り上げた。 「っ!」  反射的にカロリーナは瞳を閉じる。  しかし、どこもぶたれたりはしなかった。  恐る恐る目を開けたカロリーナとアンリの間には、二コラが立っていた。 「しょ、所長」  二コラは微笑みながらアンリの腕をしっかりと掴んでいた。 「自分より立場の弱い者へ手をあげるなんて感心しませんね」 (いつも通りのようでいて、声が、声が冷たいです……!)  思わずカロリーナまで背筋を正す。 「こいつは私の婚約者なんだ。どうしたって私の自由だろう」 「しかし、彼女は否定していましたよ?」 「何だと」  二コラはアンリから手を離すと、カロリーナの横に立った。
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