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 続利以外の三年生女子たちが、後方射撃を浴びせた。 「ああ~、この蔑み~。怨みまするぞ~、永久(とわ)に怨みまするぞ~」  見開いた目をあたりにめぐらしたやつだったが、 「はい、怨むなら自由に怨んで。ただ静かに怨まないと、またすぐに退部ですよ~」  便箋をそれぞれに渡し始めていた先生に軽くいなされ、黙った。  メッセージは、ひとりにちょうど一枚が使われているようだった。  また、部員たちの間を縫いながらの彼女は、 「テーブルのクリアファイルに入ってるプリント、一年生に配ってくれる」  と、ぼくに指示を飛ばしてきた。  それは、一年生全体に向けたメッセージ部分のコピーだった。  やはり彼女は、事前に封筒の中身を読んでいたようだ。
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