結婚1か月〜―指輪と結婚挨拶

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北条君が予約している旨を告げる。 相手は一瞬で仕事の顔になったが……。 店内にいる他のお客さんからの無遠慮で値踏みする視線が突き刺さる。 なにしにきたの? 社会見学? または世間知らず? お金持ちで有名な私立の制服とかならまだしも、普通の公立高校……。 せめて私服……と思ったが銀座にこれるような服はないし。 私の持ってる中で一番厚くて良い生地はこの制服だし。 磨き抜かれた床、ガラスのショーケース。 そこに並ぶヒカリ輝くたくさんのジュエリー。 きれい……と思う私はやっぱり普通の女子。 席へと案内され、どんな対応されるのか気が気じゃなくてガチガチに固まってた。 そして予想通り、待てど暮らせど店員さんはやって来ない。それどころか新しく入って来た予約なしらしきお客様の対応を始めた店員さん……。 その接客が終わっても、私たちは完全放置。 これはもう、あからさま。 こういうお店ってお客をかなり見てるって聞いたことがあるし……やっぱり子供なんてお客様扱いされないんだな……。 「あのー……改めて出直した方が良いのでは……?」 「予約もしてるし、行儀悪くしてるわけでもない。ちゃんとお客なのにな?」 「……はい」 「さすがに気に食わないな。こういう時は目には目を、だな」 「え?」 すっと立ち上がる北条君。
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