結婚当日―18歳、誕生日、成人

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明るくて溌剌(はつらつ)なほのぴの顔が、少し心配そうにかげる。 「ねぇ、成人になったんだから美桜はもう自由になれるんだよね? あの家、出ていけるんだよね?」 「うん! 今日から10日以内に後見終了の届を出してもらって、2ヶ月以内に両親の財産の整理をしてもらって、私が引き継ぐように手続きするの。そしたら新しい生活ができるの!」 ほのぴを安心させるように明るく答える。 「自由を手にするまであと少しってことだよね」 「うん!」 「ほんと良かったよね、成人が引き下げられたタイミングで成人になれて」 「……うん」 「ハタチが成人のままだったら、あと2年もあの家にいなきゃいけなかったし!」 おぞまし〜という感じのリアクションをするほのぴ。 みんなにとっての新法は、高校生なのに大人扱いされて戸惑うのかもしれないが、私にとってすごく重要で重大な意味を持つ。 私は小3の時から、橋田弘孝(はしだ ひろたか)伯父さまの家で暮らしている……暮らさせてもらっている。 小3の時、両親が交通事故で亡くなり行くアテがなくなった私を、父の兄である伯父さまが引き取ってくれたからだ。 両親の突然の死で親族一同大パニックになり、親戚中をたらい回しになりそうだったけど、後見人(こうけんにん)に名乗り出てくれた弘孝伯父さまには本当に感謝している。 施設行きという未来もはっきり見えたから、余計に。 だけど、やっぱり家族じゃない家で暮らすのも、家族じゃない人間を迎え入れるのも、双方にとって自然ではなかった。
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