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次いでダイニングにやって来たワイシャツ姿の男性が彼女を軽く叱責する。
「舞香、朝くらい食べなさい! 頭働かないぞ!」
「パパ! 私ダイエット中なの!」
「……そうか、なら仕方ないか?」
「分かってるくせにこんなの用意するなんて、美桜って性格悪いよね」
ダイエット中とか、聞いてないけど……。
「……ごめんなさい……」
「もーなにやってるの?」
スエット姿の伯母さまがやってきた。
「ママ、土曜日イタリアン連れてってよ! 美桜のご飯まずいから毎日食べたくない!」
「はいはい、イタリアンね。どこがいい?」
「みなとみらいのね――」
私でも聞いたことのある、有名なお店だ。
「美桜、予約しといてね。土曜日の19時、私とパパとママの3人!」
「……わかりました!」
伯父さまと伯母さまが食事をしている間、1人分の昼食作りに取り掛かる。メニューはオムライスとスープとサラダ。
ふたりが食べ終わってから、私は自分の朝ごはんを食べる。朝食の後片付けをし、家中のゴミを集めてゴミ出しをする。
そうこうしているうちに制服に着替えた舞香ちゃんが鞄を持って降りてきた。
髪はふわふわに巻いて、ばっちりメイク。フローラルみたいな香水の香りをまとって、花の女子高生なんて言葉がふさわしい華やかさ。
「舞香さん、行ってらっしゃい!」
「……」
声をかけるが返事はなかった。
「美桜! 行くぞ!」
「あ、はい!」
伯父さまの出勤用の鞄を急いで取りに行き、玄関に向かう。
「遅い」
「申し訳ありません……!」
「ん」
まだ締められていない伯父さまのネクタイを締めるのも私の役目。
ネクタイができると下駄箱から革靴を取り出す。靴べらを渡し伯父さまが靴を履いてから、鞄を渡す。
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