結婚当日―18歳、誕生日、成人

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「伯母さま、お昼は冷蔵庫のオムライスを召し上がってください」 「うん」 リビングのソファで寝転んでいる伯母さまは、韓流ドラマに夢中でこちらに向かない。 「あ、美桜」 「……はい?」 「あのさ〜もうちょっと食費抑えられないの? さすがにエンゲル係数高いって」 「……はい。すみません。努力します」 物価がどんどん上がっていて前みたいに安く買えなくて……それに舞香ちゃんが食材を無駄にしてるから……と言いたかったが、怒られるので黙っておいた。 「庭に雑草生えてきてるからむしっといてね」 「……はい!」 私は2階の自室に戻るとブレザーを羽織る。 紺色のブレザーに、赤いリボン。舞香ちゃんと同じ制服だけど、垢抜けていなくてとても同じには見えないなと自分でも思う。 「行って来ます!」 元気に言っても、私が誰かに見送られることはない。 ひとりでひっそり家を出る。 大丈夫。 行き場のない私をここに置いてくれただけでありがたかった。 施設に入れられたらどうなっていたかな? 自分の部屋もない。 学校も満足に通えない。 ご飯もきっと美味しくない。 ずっとずっと孤独だった。 伯父さまがいなかったら、私はもっと不幸だった。 大丈夫、大丈夫。 あともう少しだから。 もう少しで自由だから……。
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