結婚当日―18歳、誕生日、成人

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「そうだ! 美桜、誕生日おめでとう!」 「ありがとう!」 橋田美桜――本日4月5日が18歳の誕生日。 「始業式終わったらお祝いしようね! 原宿の人気カフェ!」 「やった〜! ひと足先に18歳!」 「花のエイティーン! 成人!」 そう、つい最近法が改正され、成人が20歳から18歳に引き下げられた。 つまり、社会的に私はもう自分の責任でなんでもできる立派な『大人』という扱いなのだ。 「もう成人って、びっくりする!」 「ねー。びっくりだよ。まだ高校生なのに」 「選挙にも行けるの?」 「行けるよ。各種契約ごとももちろん」 「契約って、おとなー!」 「大人なんだよー!」 「飲酒喫煙はハタチのまま?」 「そう」 「ややこしいなー。成人式は二十歳の集いみたいな名前なんだよね?」 「そうそう。あっ、悪いことしたらテレビに名前も出ちゃうのかな?」 「美桜は悪いことなんて絶対しな……あっ」 ほのぴはそこで、思い出したみたいに言う。 「もう結婚も親の許可なしで自由にできるんだよね!?」 「え? ケッコン?」 結婚って……あまりの突拍子のなさに笑ってしまった。 「今時の18歳ってみんな高校生だよね。昔じゃないんだから結婚なんて誰もしないよね?」 「わっかんないよー? このクラスの誰かがするかもしれないし、美桜がある日突然学生結婚してるかもしれないよ?」 にやにやしながらほのぴが小さく指差した先。 「高林と♡」 高林純也(たかばやし じゅんや)君。 私の大大大好きな人。
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