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銀の社の前や、階段に座って、花火を見たり
海へ行って、海の楽しさを満喫したり、人里の盆踊りに参加したり
皆と一緒の、楽しい八月は終わり、まだまだ暑い日が続くが
暦は、9月になった。
ある日、ひょっこり、思いもかけない人が、瑠奈の家を訪れた。
東山陽介だ「陽ちゃん!!帰って来たの?」瑠奈は、驚きと喜びの声で聞く。
陽介は、真っ黒に日焼けした顔で
「いや、一時帰国なんだ、また直ぐに行く」と、白い歯を見せて言う。
「その前に、瑠奈がどうなったか、心配で見に来たんだ。
何しろ、携帯なんか、全く通じない国だし、携帯も無くしちゃってな~」
そう言いながら、皆を見て「この人達は?」と、聞く。
「事情が有って、一緒に住む事になった人達よ」瑠奈は、一人ずつ紹介する。
「こんなに沢山の人と、暮らしているなんて、想像してなかったよ」
陽介はそう言いながら、隣の玲音たちの家や、貯蔵庫や
井戸水を、モーターで汲み上げ、水道にしている所や
沢山の、ソーラーパネルを見て
「昔とは、変わったけど、住みやすくなったな」と、喜んでくれ
「畑も、随分、広げたな~」と、わさわさと、葉っぱが茂っている
サツマイモ畑を見て言う。
「うん、皆が、手伝ってくれるの」
「そうか、これだけ男手が有るなら、畑も、楽勝だな」
陽介は、皆と一緒に、昼食のソーメンを食べ
「久しぶりだ、旨いな~」と、にこにこする。
「一晩位、泊って行ってよ」と言う瑠奈に、限られた日数で
あちこちに、顔を出さないといけないので、と言った陽介は
「皆さん、これからも、瑠奈を宜しくお願いします」と、頭を下げた。
その陽介を、瑠奈は、車で駅まで送って行った。
もっと、色々な事を話したかったが、瑠奈の胸は一杯で
何も話せず、ただ陽介のアフリカの話を聞くだけだった。
「瑠奈の事だけが心配だったけど、皆と楽しく暮らしているのを見て
すっかり安心したよ、俺は、これからもずっと、困っている人を助ける。
瑠奈も、頑張って自分の幸せを掴んでくれ」
そう言い残して、陽介は、駅の中に消えた。
瑠奈は、もう二度と陽介とは、会えないような気がした。
落ち込んでいるんじゃないかと、心配していた瑠奈が
案外、元気な顔で帰って来たので、九尾達は、ほっとした。
「瑠奈が、彼奴と一緒に、アフリカに行くんじゃないかって
ドキドキしてたよ」と、玲音が言うと
「何で、私が、アフリカに行くのよ」「だって、彼奴は、瑠奈の恋人だろ?」
「違うわよ、昔は、恋人になれたら良いな~って、思った事も有るけど、、」
「今は、違うのか?」と、大蛇丸が聞く。
「私、月人の子孫だって、分かったからね~
普通の人間の陽ちゃんの恋人には、なれないじゃない」
「そんな事は、気にしない男に見えたが」と、銀が言う。
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