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「5階だ。彼はつい最近このコンドミニアムを買ったんだ」
「ええ、そうでしょうね。でも5階?彼ほどの収入があれば最上階でも帰るんじゃ?」シャロンは、そう言いながらもゴールドに輝く豪華なエレベーターにもうっとりした。
「シャロン、ニューヨークのコンドミニアムがどれくらいするか知ってるのか?このマンションを買えるだけでもすごいことなんだから」
「ええ、そうですよね。ここがニューヨークってことを忘れてました」バクスターは成功者ってことね。
でもわたしはそんな高望みをしたところでかなうはずもない。しがない編集者としてコツコツ働くしかない。それでもこの仕事なら安定しているんだもの。文句を言わないの!
5階に着くとエレベーターの扉が開いた。シャロンはうっかりしてつんのめった。
「噓…」履きなれないハイヒールのかかとが、エレベーターの溝に引っかかって転びそうになった。
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