シャロンは気づいていなかった最低なジェリーが最高のジェリーフィッシュだったことに

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 シャロン・グロスは耳を疑った。  「編集長、本当にわたしが?」シャロンは目を丸くして編集長に行ったことを頭の中で反芻していた。  編集長のジェームスは言った。  「ああ、もちろんだよシャロン。君はいつも頑張っている。僕がそれを見逃していたとでも?急にマシューが家の都合で引っ越すことになってバクスターの担当者が必要なんだ。それで君になら任せられると思ったんだよ」  「ああ…バクスターってあの今人気急上昇中の作家ですよね?その担当者にわたしなんかがいいんですか?」  嘘!夢みたいだわ。ウォルトブックスに入って3年、カレッジしか出ていないわたしは、インターンシップから始まり、その後は番組のリサーチ、そのほかもろもろな雑用をこなしてきた。  つい半年前にやっと編集アシスタントに格上げされて今まさに編集部の花形とも言える作家担当者に抜擢された。  「ああ、他の担当者は今は手いっぱいで君しかいないんだ。どうだシャロン、やってみる気はあるか?」  「はい、喜んでやらせていただきます。編集長ありがとうございます」シャロンは喜びに溢れた顔でジェームスを見た。
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