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早速マシューと一緒に、作家のバクスターのところに挨拶に行った。
彼は1年ほど前に、”暗闇の掟”という初めて出した推理小説が、ネットで大評判になるとあっという間に10万部という数字をたたき出した。
その後も2作目”マンチェスターの屍”が発売するなり20万部を超えた。その後も次から次へと新作を発表してその勢いは今やスーパーマンでも止められないのではと言われるほどだった。
ウォルトブックスでも、彼の小説をウィークリーブスに掲載中だった。そしてマシューはその小説の担当者だった。
マシューは40代半ばの結構やり手の編集員だった。
そもそもマシューより前にも何人かの編集員がバクスターの担当者になったが、彼が直接原稿のやり取りをするにあたって、どの担当者も気難しい彼とうまく付き合えず、とうとうマシューの担当になったのだった。
そんなこととは知らないシャロンは、意気揚々と今回の仕事に張り切っていた。
「いいシャロン。バクスターは気分屋だ。調子のいいときは原稿がすぐに仕上がるけど、ちょっとつまずくと仕上がりが遅くなる。
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