シャロンは気づいていなかった最低なジェリーが最高のジェリーフィッシュだったことに

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 病室に戻るとシャロンはいなかった。看護士に尋ねると、彼女は検査に行ったらしい。午前中は帰って来ないと言うので、ジェリーは自宅に帰ってくることにした。出来上がった原稿を持って、取り掛かっていた次の作品を書くためにノートとペンを持ってきた。  彼の作品作りはノートとペンから始まる。思い描くプロットや人物を決めていく。それをもとにある程度の話を作ってから、ワープロに打ち込んでいくのがいつものやり方だった  ジェリーは昼食前までに自分の昼ごはんとシャロンが好きなカフェラテを買って戻ってきた。  「やあ、シャロンどうだった?」  「疲れた…」シャロンはベッドに横になっていたが昨日よりかなり顔色は良かった。  「食事はまだだろう?」  「ええ、でもジェリー忙しいんでしょ。わたしのことはいいから…」  「シャロン、怪我は僕のせいだ。だから退院するまでは僕に面倒見させてくれないか?昨日も言ったけど、君はまだ朦朧としていたから…これは頼みじゃなくて僕の責任だからそうしたいんだ」
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