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「さあ、シャロン今日は君の好きなサーモンだね。はい、口を開けて…」彼はこの1週間の間に食べさせるのがずいぶんうまくなっていた。
大きさもちょうどいい加減にして、上手に口元に運んでくれる。
シャロンは黙って口を開けるとサーモンをくわえた。そして舌で少したれたソースを舐めとろうとした時、彼がソースを指でなぞって取ってくれた。
「ありがとう…」シャロンはため息をついた。背筋がぞくぞくして腿の間が熱くなる。
「いいんだ。僕がソースをつけすぎたから」ジェリーはそう言うと唇を噛みしめた。
ふたりの間には、一気にもどかしいほど熱い空気が横たわった。静電気にでも触れたみたいに、びりびりした感覚が指先を這いあがる。
シャロンはやっとの思いで、食事を終えるとジェリーが食器を片付けに行って帰って来た。
今よ。今しかないのよ。シャロンはベッドに座ったままだった。ジェリーが椅子に腰かけると彼女はジェリーの顔を見た。
黒いまつ毛に縁どられた瞳はプラチナのように輝き、真っ白い歯を見せて微笑んでいる。
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