シャロンは気づいていなかった最低なジェリーが最高のジェリーフィッシュだったことに

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 シャロンの家は、シングルマザーの家で、すごく貧しい家庭環境だった。そんな環境で育つうち、彼女は将来は安定した職業についてお金に心配のない生活を送りたいと思うようになった。  わたしはこれくらいのことで弱音を吐くようなやわには出来てなんかないんだから…  マシューがここだと合図した。  そのビルは豪華なコンドミニアムで、建てられてまだ数年のマンションだった。  地上20階、プールやジムも併設されていて、コンシェルジュもいるマンション。  大きなガラス張りの扉を開けると、ぴかぴかの黒い大理石の床。拭き抜け天井。煌びやかなシャンデリアが出迎えた。その豪華な入り口を入ると、セキュリティが完璧に完備された入り口でマシューがチャイムを押した。  「どなた?」  「お約束していますウォルトブックスのマシュー・ボイトです。Mr.ゴルドー…」  「ああ、もうそんな時間か…どうぞ入って」  ドアが開きふたりは中に入った。コンシェルジュと目が合うと向こうが頭を下げた。  わたしたちも挨拶をしてエレベーターに乗った。  「何階ですか?」
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