Sweet Pain : あの日の雨は

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 僕は「好きになるより、好きになられたい」タイプで「好きになった人が理想のタイプ」の典型で、長くチハルを思い続けていたのに、彼女とは似ても似つかないヨッコが気になって仕方がなくなった。  それでも結局、カズユキの助言を受け入れたような形になってしまった。  特に彼女とコミュニケーションを取ることもなく、そのまま年が明け、間もなく中学校を卒業したが、僕はずっとヨッコのことで悶々としていた。  その当時は、クラス名簿が各家庭に配られていたため、それを見てヨッコに手紙を書き送った。  あのときヨッコの告白を無視したようになったのを詫び、僕はヨッコのことが好きであることを打ち明けた。  そうして返信を待つうち、僕は進学先であるM高校に通い始めた。  県北のM高校は、当時僕の地元からは学区外にあたっていた。よって、同じ中学から、このM高校へやって来た者はほとんどいなかった。  逆を言えば、学区外でも普通科と併設の理数科なら入学可という特例が存在したため、僕以外にほんの数人ながら同じ中学校の出身者がいた。
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