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中学時代の僕は、運動が苦手で、そういうのが集まる典型と言っていいパソコン部に所属していた。
体育科の成績も10段階でいつも2から良くて4、懸垂はただの1回もできず、握力計の針は全く動かない。跳躍力もなく、跳び箱や走り幅跳びは苦手だった。50メートル走は、クラスで最低レベルに順位付けされていた。
つまり基礎体力がなくてスポーツは何をやっても、うまくいかなかったが、体育科の授業内で人並み、もしくは人並み以上にできたのが、サッカーとソフトボールだった。
もともと子どものころから野球が観るのもやるのも好きだったが、小学生のとき通りがかった中学校のグラウンドから聞こえる野太い掛け声や、ネット越しに見えた球の速さと坊主頭にすっかり引いてしまった。それで中学校に入る前から野球部入部を断念した経緯があった。
サッカーは、何の拍子か、小学生時代の転校前に四年生から始まるクラブ活動でサッカーをやっていた。
そこはサッカーが盛んな地域で、週1で授業時間に当たるクラブ活動の枠だけのはずが、毎日朝練があった。それが苦痛で自然消滅のように辞めてしまったが、それでも唯一腕に覚えがあるスポーツで僕は、ひ弱であるとする周りのイメージを覆し、格好良い男になってヨッコの気持ちをつなごうとしていた。
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