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「どちら様でしょうか」
「君に言う義理はないな」
「……」
じゃあ言わないでくださいよ、なんていうつもりはない。やはり一筋縄ではいかないようだ。というか誰だ。どんな馬の骨かは知らんが絶対許さない。
「小学生からの幼馴染の私に、言えないんですか、副会長」
「あぁ」
「どうしてもですか?」
「もちろん」
「……実は?」
「くどいぞ、真琴」
視線をちらりと私に移す浅香。恐ろしいほどに整った、涼しげな表情。あぁ、好きだなぁと心の底から思う。
「何故そこまで知りたがる」
好きだからに決まってるでしょうがぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!
「特に理由はありません」
軽蔑してください副会長。私は息を吐くように嘘をつくような人間になってしまいました。だから一生私を監視してくださいお願いですから。
「そうか」
暫く書面とにらめっこを続けながら、私は脳みそをフル回転させる。
誰だ?
誰なんだ私の副会長を奪おうとする野郎は。
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