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そうこうするうち、晩ご飯をほぼ、食べ終わった。まるで、食べ終わるのを待っていたように、カランコロンとお店のドアに付けてある呼び鈴が鳴った。
「藍?」
振り返ると、お母さんのお姉さん、藍ちゃんには叔母さんにあたる辻本優子がドアをあけ、店の入り口に立っていた。
薄手のグレーのニットに白のストレートパンツ姿。綺麗目のオフィスカジュアルで仕事帰りだと分かる。
「藍、お店を勝手に開けたの?」
優子叔母さんの質問に、隣に座っていた女の人が立ち上がった。
「すみません、私が無理に娘さんの晩ご飯を分けていただいたんです」
優子おばさんは怪訝な顔で、女の人を一瞥した。
「藍、鍵を開けっぱなしにしていたの?」
優子叔母さんは藍ちゃんに質問しているのに、女の人が間に入ってくる。
「違うんです。鍵が閉まっていたのに明かりが付いていたので、私がノックしてしまって。娘さんは開けてくれただけです」
「開けてくれたって──」
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