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2 初恋適合(ファースト・カップリング)の要旨 製薬会社HPより一部抜粋
1 男性には苦難の時代――恋愛自由化の余波とは?
現代、ことに男性において甚だしい格差が生じております。その格差とは、恋愛格差であります!
女性と異なり男性はいわば、〈選ばれる性〉であることは進化心理学的に証明されています。こまごまとした科学的根拠を要約すれば、次の一言に尽きます。卵子は貴重であり、精子はありふれている。
結婚していなければ最低限の社会的地位すら認められなかった20世紀と異なり、21世紀も四半世紀をすぎた昨今では、必ずしも結婚に重きが置かれなくなりつつあります。
団塊世代は洗濯物も自分で畳めない怠惰な男性でも(社会的圧力に屈する形でしぶしぶ)許容してくれる女性がいたいっぽう、当節では男性に求められる資質は青天井といえるでしょう。
こうした流れはなにを意味するのでしょうか? そうです、〈モテる男性〉と〈モテない男性〉の二極化なのです! 女性たちはこう考えます。性の解放や結婚軽視がトレンドならば、なにもモテない男性から無理をして選ぶ必要はない。既婚だろうが未婚だろうが、モテる男性から選んでいけない理由はない、と。
性道徳や倫理規範は問題ではありません。それは20世紀に朽ち果てたゾンビ哲学なのです。不自然な圧力がなくなれば、恋愛も市場で売買される商品となんら変わりません。よいものが売れ、質の低いものは売れ残る。これからは男性にとって非常に厳しい時代となるでしょう。
2 未経験男性、危機感を!
学生時代(主として中学~大学まで)に一通りの恋愛経験を積めなかった男性はその後、生涯女性と交際できない可能性が飛躍的に上昇するというデータがあります。
なぜそうなるのでしょうか? ずばり、男性は暗に明に女性からスマートなエスコートを求められている点に原因があります。女性は未経験がむしろプラスにすらなるのに対し、男性はデートで醜態をさらせない。いい大人があたふたしているようでは失格なのです。
経験を積んだ男性はますます選ばれ、そうでない男性は入り口でつま弾きにされる。これが現実なのです。
3 吊り橋効果薬剤の劇的効用
そこで弊社の開発した吊り橋効果薬剤(以下BEMと略称)を基盤としたファースト・カップリング(以下FCと略称)の出番です。弊社はもともと男女間のマッチングサービスを包括的に営んできましたが、マッチング率の低さに頭を悩ませておりました。ことに男性会員の満足度が顕著に低いという窮状が慢性的に続いていたのです(理由は2項で論じた通り)。
そこで弊社はマッチング率の向上を目的としたBEMを、国立医科大学との提携のもとに開発したのです。要諦は下記の通り。
1、弊社マッチングシステムによりお相手を選択し、BEM使用の了承を得る
2、二人同時にオキシトシン放出促進ホルモンを視床下部へ投与
3、視床下部よりオキシトシンホルモンが放出
4、ポジティヴ・フィードバックにより設定閾値までオキシトシンが脳内還流を続ける
5、二人は疑似的な相思相愛状態へ移行
本サービスはたいへんご好評をいただいており、マッチング率はBEM導入前と比べ、実に17.4倍に跳ね上がりました。
4 初恋適合の出番!
2項で述べた通り、男性は学生時代を恋愛未経験のまま終えるのは非常にリスキーです。そこで弊社では、保護者の同意のもとにBEMの使用を未成年へ拡張し、もってお子さまの将来に備えるサービスを開始しました。
それがファースト・カップリングなのです! 子どもが持たざる者のまま成人し、女性から相手にされない人生を歩むのを望む親がいるでしょうか? 当サービスを提供しないのは、もはや一種の虐待である――。弊社は自信を持って結論いたします。
※FCサービスご利用の際には、併せて弊社マッチングシステム(学生版)のご利用を強く推奨します。
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