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 ということは、頭の耳は、犬じゃなくてキツネの耳だったんだ! 「すごいだろー」  エッヘン、と胸を張る。  神様のお使いにしては、こどもっぽい。 「うーん、まあ、神さまのお使いっていうことは、100歩ゆずって認めてもいいですよ。いいですけど、どうして今までだまってたんです? おかげで笑われちゃったじゃないですか。ヒドい!」 「だって、どうせ言っても信じないだろ?」 「う」  たしかに神社のキツネだよ、なんて言われたら、伊奈利のおでこに手をあてて、「熱でもあるの?」なんて言っていたかもしれない。 「まったく、人間ってヤツは勝手な生き物だな。一万回も頭を下げて頼むから、出てきてやったのに」 「一万回?」  聞き覚えのある数字だ。 「うん。色葉が神社の前を通る度にお祈りしたのが、昨日の朝で9999回だったんだ」 「最後の1回はもしかして」 「コックリさん、コックリさん、おいでになりましたら、『はい』のところにお進みください」  伊奈利は麻衣ちゃんとわたしの口マネをして言った。 「じゃあ、あの大きくなった鳥居は」
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