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なんとか学校を休めないかな……と、ズル休みしたい方に気持ちがかたむく。
だけど、始業式に休んでしまったら、新しいクラスに出おくれることになる。早くもグループが出来てしまったら、後からグループに入りにくくなってしまうかもしれない。
そう思うとズル休みしたい気持ちは、風船の空気がぬけるみたいに、しゅるしゅる音をたててしぼんでいった。
えい、急ごう!
わたしはヘアブラシを高速で動かして髪をすき、ポニーテールにまとめた。一番かんたんで、どんな服でもそれなりにかわいくなる髪型だから、わたしはほとんど毎日ポニーテールなんだ。
ああ、それにしてもどうして高橋先生は「ぜったい遅刻するな」なんて、言うのかなあ。
しかも「水瀬色葉」って名指しで。「ぜったいにするな」は、予言じゃなくて、もしかしたら「絶対やっちゃう」呪いだったんじゃないかな?
だって、「やっちゃだめ、やっちゃだめ」って思うと、なぜかやっちゃってるんだもん。これって、どうしてなんだろう?
キッチンに行くと、すっかり支度の整ったお兄が、パンを焼いて待っていてくれた。
「色葉、落ち着け。走れば間に合うから。ほら」
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