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「ああ、旧校舎の鏡の話か。あれは嘘だよ。良くないものがいるのは本当だけど。ウサギさん持ってて良かったね」
「ええ!? 恋人同士になった人もいるって聞いたのに!!」
旧校舎の噂が嘘だったなんて。響はショックを受けた。悠人と彩世のために頑張ったことを、褒めてもらおうと思ったのに。
幽霊に関しては何となく存在を感じていたので、そこは気にならなかった。
「もし、恋愛成就的な効果があるとしたら、おそらく吊り橋効果だろう。旧校舎は不気味だからね。恐怖や不安で心拍数が上がっているのを、恋愛のときめきと勘違いしてしまうんだよ」
「じゃあ、2人で旧校舎に行くと、吊り橋効果で仲良くなるってこと?」
「そういうこと。全ての人に当てはまるものではないけどね。生理的に無理な人間と一緒にいたって、嫌悪感しか残らないだろう?」
「ふぅん……」
吊り橋効果。
響は、心の中で呟いた。
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