僕だけの夏の思い出

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 もうすぐで僕の夏休みが終わる。  そうなれば、僕の夏も終わる。  夏休み最終日まで少し離れた山間部の市へ来ている。  僕のおばあちゃんは同じ県に住んでいるけれど、住む市が違う。  毎年お盆に帰って夏休みが終わる前には、僕たちが住んでる市へ帰る。  けれど、今年は父の仕事仲間がミスをしてしまったらしく、お盆に帰れなかった。  だから、少しずらしておばあちゃんの家へ行き、夏休み最終日までこっちにいることにした。  おばあちゃんの家は山の上にある。  だからなのか空気が澄んでいておいしい。  もちろん、景色はあまり見られないような風景で朝は木々の間から差し込む陽の光が美しい。  夜は虫の声や自然を感じる。  山だから感じることなのだろう。  そんな充実した夏休みを過ごしていたある日の事。  おばあちゃん家には屋根裏部屋がある。  母から物を取ってきて欲しいと言われ屋根裏部屋に上がる。  思っていたよりも埃ぽくもなく、整頓されていた。  母の言っていた目印になる箱を見つけ、その中から言われたピンク色の巾着を取り出す。  そのまま箱を閉じ、部屋を出ようと思い隣の透明な箱の上を目線が通る。  そのまま僕の目線は1度ドアを見たが、透明な箱に目線が戻る。
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