僕だけの夏の思い出

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 透明な箱の中にエメラルドグリーンのような色をした石が埋め込まれたペンダントがある。  怖くはなかったが、触れることは少し躊躇った。  透明な箱を開けずに僕はドアの方へ向かい、屋根裏部屋を出る。  台所にいた母にピンクの巾着を手渡し、おばあちゃんのいる和室へ向かった。 「おばあちゃん、聞きたいことがあるんだけど……」 「どうかしたのかい?」 「屋根裏部屋に透明な箱があったんだけど、その中に入ってるエメラルドグリーンの石が埋め込まれたペンダントってなに?」 「ああ、あれかい?……あれは、私の祖母が祖父から受け取ったペンダントだよ。私は使わないから屋根裏部屋の祖母の数少ないものと一緒に保管しているんだよ」 「そんな前からあるものなの?すごく手入れされてるように見えたのに?」 「そうだねぇ、私の父が言うにはあのペンダントは普通のペンダントではなくて、不思議なペンダントと海外では呼ばれている物らしいよ」 「不思議なペンダント?」
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