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「その話は、別にどっちでもいいの。私、ぜんぜん関係ないし。とにかく、フリダはもうコニーさんのこと要らないって言ってるし。私がコニーさんをもらったわけだし、どう扱ってもいいじゃない? ただの行きずりセックスじゃ罰っぽくなくて嫌だっていうなら、フリダには、手酷く強姦して捨ててやったって報告するから。ね……だめ?」
「お前、そんな女だったんだな……」
苦虫をかみつぶしたような顔をする。
「ふーん、コニーさんは、そんな自罰的なひとだったのね」
*
休日が過ぎて、コニーから抑制剤が抜けたと告げられた。
何事もなかったかのように仕事を済ませ、ミーナは家には帰らず再びコニーの部屋を訪れた。泊まり込む準備は万端だ。
ミーナは野獣のようにコニーを裸に剥いて、ベッドの上に転がした。
コニーは何も抵抗しない。ミーナは辛抱たまらず、鼻の穴を膨らませてコニーにのしかかる。
長年脳裏に焼きついたアレを探して、コニーの下腹部の被毛をかき分ける。
(――あの赤くて……長い……)
ミーナは血の回らなくなった頭でふわふわな腹の毛をまさぐる。
「あれ? な、ない……」
手触りで長い毛の中にヒトのそれより細長い形の睾丸らしい膨らみは見つけた。
しかし肝心のところには筒状の穴があるだけだ。
肉が少し盛り上がってはいるが、そこにはミーナが期待したものは生えていない。
「ないんじゃない。勃たないだけだ。……ヒトなんかに発情するわけない」
薄暗い部屋でコニーの陰鬱な声がする。
「ふえぇ……」
十分に考えられる事だった。獣人に避け続けられたミーナは伊達ではない。
勃たなければ、できない!
最後にしようと思っての事だったのに、そもそも兎がミーナに欲情してくれなければ成立しない行為だ。ミーナは悲しくなった。
コニーは不貞腐れた顔をして仰向けに寝転んでいる。
「協力してくれないの?」
「お前みたいな女に、俺は相応しくない」
口元を押さえて、ミーナから顔を背ける。
「兎は年中発情するんじゃなかったの?」
「お前ほどじゃなかったようだな」
「こんな生ぬるい報復なら考え直せ。俺でなくともお前なら若いオスが群がるだろ? 俺として何になる。リオの差し金か?」
こんな直前まできてコニーは言い訳がましくミーナを思いとどまらせようとする。
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