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コニーはミーナの紅を塗ったような赤い唇に自分の陰茎が愛撫されるのを息をつめて見守った。
「試してみればいい……」
そう言って、猛獣のようなミーナの前に諦めたように体を差し出した。
*
「『その後、めちゃくちゃセックスした!』って感じ……」
絶頂したままコニーの上でへたへたになったミーナは、くらくらと回る視界に目を閉じた。
一度目は早かった。
二度目は激しかった。
三度目は色々分かってきて、四度目は――兎に角、コニーもミーナも長年の欲求不満を一気に解消させた。
「コニーもう無理。疲れた」
「じゃあ、交代するか。今度は俺が上に乗っていいのか?」
「いいよ。すごいね。まだできるの?」
ミーナもコニーも自分の為だけの快楽を求めて自分勝手に動いた。
どちらも遠慮なく、自分の好きな行為を相手に要求して、気持ちが良ければ気ままに応える。
明け方まで致して、背を向けて眠ったが、起きた時にはコニーの体液やら匂いやらはすっかり消えていた。
不思議に思ってコニーに質問してみれば、避妊の魔術道具を使ったのだという。
ヒトの街では見かけないペンの様な形の魔術道具を手渡されて、ぼーっと摘まみ上げてそれを確認する。
「朝食を食べてから出勤しろ。俺は先に出る」
いつ用意したのか、ミーナの分も朝食が用意されている。
少しだるい体を起こして、朝食以外何も置いていないテーブルにつく。
「コニー、とりあえず、すごくよかったから、またセックスしない?」
「……しない」
「そう。べつに楽しんじゃったことに罪悪感を持たなくてもいいと思うけど? フリダ、たぶん、ウサギの件は蹴ってすっきりしたみたいだし。引きずっても無駄よ。リオさんもなんだかんだでコニーの幸せを望んでるようだったし」
フリダは答えを出したことに対しては物凄く潔い。
研究者らしく、予想と違う答えが出た時は軌道修正がきく。
だからこそ、ミーナはコニーをくれなんて馬鹿なことをいってみたのだ。
「よく、わからない……」
「そう? まぁいいや。じゃぁ、ご飯ぐらい一緒にどう?」
「まあ、そのくらいなら」
✳︎
コニーとミーナは、そんな関係になったにもかかわらず、何も変わらなかった。
その日からまた普通に同じ職場で仕事を続けるのに何も支障をきたさなかったくらいだ。
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