性癖を拗らせた原因の〇〇〇〇に再会したのでヤらない理由がない

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 どちらも下心を出し過ぎた為の自業自得ではあったが、珍しく今回は懲りたのだ。  ミーナはさんざ痛めつけられて、ついに獣人の番を得ることを諦めようかしら、という心境になっていた。  もう冬が近い。  薄紫の雲は大きな赤い夕焼けをあっという間に隠してしまう。  ミーナはフリダを酒場に呼び出して、浴びるように酒を飲んでいた。 「どうして、私には獣人運がないの?! ヒトばっかり! 私を口説いてくるのはヒトばっかりなのよ!!」  ミーナは酒が強いわけではない。それなのに飲む。そして良くない酔い方をする。  騒がしいので周りの客はミーナの方を眉をしかめて見るが、そのまま釘付けになる。  ミーナはヒトにはモテるのだ。ヒトにだけは。  美しい黒髪や、深い青い目も、白く血管が透けそうなほどの肌も、赤い唇もヒトの異性を引き付ける。時々は同性だってミーナに恋をした。しかし、ミーナはヒトにはまるで興味がなかった。  目許を赤く染めて、妖艶に管を巻くミーナを凍てついた目でフリダが見下ろす。  ――いや、見下(みくだ)している。 「どうしてって、あんたが悪いわ。いかがわしいことばっかり考えてるから罰が当たったんでしょ」  フリダはミーナに容赦がない。 「私が悪いの? 私、何もしてないわよ! 特に欲張ってない! ケモちんが欲しいって言ってるだけじゃない。それだけなのに誰かに迷惑をかけたりした?」 「かけてるわね。今。私に。公共の場でケモちんとかいうのやめてよ。友達やめるわ――いいえ、間違えたわ。知人をやめるわ」 「何よぉ、私のことを友人だと思ってないって言いたいの?」 「友達だと思ったことなんかないっていってるの。あんた、私が獣人の研究してるからって近くに居たいだけじゃない」 「ひどっ!……ちが……く、ないけど、友達じゃない? ね、ね、そうでしょ?」 「どうかしら。知人だってだけでも嫌なんだけど」  休日前ということもあって、店の中はまだ浅い時間なのに賑わっている。  ミーナがこの店を選んで飲みに来たのは、時々愛らしい看板犬獣人が店に立つことがあるとうわさを聞いたからだ。  誰かの番だってかまわない――獣人を愛でるのがミーナの楽しみとなっていた。 「それでね、この間の件でね、パパにお小遣いをとめられちゃってね」  ミーナは、べそべそとフリダの袖を引いて愚痴を言い始める。
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