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 その時、新しい客が店にやって来た。 「すまないが…」  ミニブタが頭をあげると、つばのない菱形の帽子と長いマントを身に付けた、ウサギの青年が立っていた。腰に長い剣をさげている。騎士のようだ。 「ここは薬屋とお見受けするが。ルドルレフス=カムナテスという薬師をご存知でないか?」 「僕だけど」 「おお。あなたか」  ウサギの青年は嬉しそうな顔になった。  そして上着のポケットから、薬師ギルドの紋章が付いた革製の通行証入れを取り出して、ミニブタに見せた。天秤と薬鍋と薬匙が組み合わされた、円形のマークである。 「薬師ギルドから来た人?」  ミニブタは目を丸くした。薬師ギルドから騎士が来るなんて、思ってもみなかったからだ。 「私の名はアルフォンソロード=ジバリアスディフリート。薬師ギルドから依頼を受けて参りました」 「ギルドからあなたのような人が来るなんて…。何があったの?」
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