夏の終わり

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********  先生の言葉が本当だと思ったのは、それから10年経った頃。  毎日笑っているわけではないし、同僚たちが全員良い人なんてことはもちろんない。  けれど、あの日、生きるのをやめようとしたあの日。  あの苦しさに比べると、なんてことない。  笑える日が一日でもあるなら、それだけで十分。  あぁ、これが自分を守る”盾”か。  そう思うのは、少しだけ空気がひんやりしてきた夏の終わり頃。      
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