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第1話
いつからだっただろうか。こうして一緒に暮らし始めたのは。
うるさいし、騒がしいのは承知の上なのに初めてしまった。いや、しまったと言うほどガッカリはしていないのだが、少し不安が残っているというか…
よくやろうと思ったし、実行したと思う。これも友情ってヤツのおかげかな(笑)
生活するにあたって家が必須だが、かなりの大きな家を貰うことができた。
家をくれた人物は、乙葉 きいろ、周りからはこーんと呼ばれている。
お金持ちの親の元にうまれた立派な令嬢さんだ。
貰った家は元々、乙葉家の別荘らしく、もう使わないということなので貰うことにした。
お金持ちの別荘とあってか、建物は大きく、庭は広い。
「こんなの貰っていいの?!」と思うが、こっちはこーんちゃんと通してしっかり許可を頂いた。
ちょっと怖かった…
家は意外と住宅地の側で、スーパーやコンビニも少し歩いた場所にある。かなり嬉しい!
そんなこんなで始まったシェアハウスの1日目はというと━━━━━━
「メリーさん、ココです。ここが乙葉家の元別荘です」
こーんは丁寧に紹介した。
下見をしようと、見に来たのだ。
「5人が入るくらいの大きさではあるね」
「実は丁度部屋も5つあるんですよ?」
メリーは驚いた。
「元々私、母、父、執事2人が使う家だったので、計5人分あります。中に入ってみますか?」
そう言われるがままにこーんの後を追った。
「こちらがキッチンとリビング、リビングと言うよりかは大広間的な感じですかね。」
長机に5つの椅子が並べられ、真ん中には花瓶が置かれていた。その他にも暖炉や絵画、本棚が置いてある。
「この広さのキッチンなら散らかしても大丈夫な気がする…!」
「やめておいた方がいいですよ」
メリーの発想はあっさり断られた。
個別の部屋は1階に2部屋、2回に3部屋あるらしい。
「あ、そうそう。部屋やキッチンなどの他に、大きなお風呂や、プールなどもありますよ。まあ、プールに関しては定期的に清掃しなければ行けないでしょうけど…」
「全体的に清掃はしといた方がいいかもね、ちょっとホコリ被ってたりしてるし」
「その事なんですが、なんと!凄腕の掃除屋さんにお電話をしまして、明日に清掃をしてくれるそうです。なので心配しなでください。」
「まじで?!」
これで少しは手間が省けたと安心した。
「楽しみだな〜、こーんちゃんは一緒に暮らさなくていいの?」
こーんは少し戸惑ったが、落ち着いて言った。
「はい、私はやることがあるので皆様と同居することは出来ません」
何となく悲しい表情だったが、仕方がない。
「明後日からですね、是非楽しんで、何かあればすぐにご連絡くださいね」
「ご丁寧にありがとう、大丈夫!みんながいれば問題ないよ!」
メリーは笑顔で答えた。こーんはそれをみて「確かに」と微笑んだ。
何かモヤモヤするような感じはあるが、これもそのうち晴れるだろうと確信した。問題がないかは分からないが、あっても信頼があるから大丈夫だと思った。
今日はとても青が澄んでいる、晴天の日だった。
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