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「いやぁ~あんたたち見ていたらなーんか羨ましくなってさ。わたしもここらで一花咲かせてみようかなって気になったってわけよ」
「~~お、叔母さん!」
「わっ、な、何、幸穂」
あまりにも嬉しい言葉に思わず叔母に抱き付いた。
「よかった……よかったぁ~~~」
「なによぉ、もう。その言葉はちゃんと相手が見つかってから言ってよ」
「うん……うんうん、何度でも言うよ! 見つかってからもちゃんと言うよ!」
「……幸穂」
どんどん幸せの種が芽吹いているように思える。私にも叔母にも。
少し前までなら考えることも夢見ることも叶わなかったものが今、確実に未来へと向かって動き出している。
いつの間にかそっと肩を抱かれていた秀司さんの温もりと微笑みを受けて私は幸せの真っ只中にいたのだった──。
早世の花嫁(終)
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