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(つまり叔母さんはこの人に何らかの借りがあって、その代償にロリコン嗜好にはうってつけの私を差し出した──ということ、なのかな)
そう、悪い見方をすれば私は叔母に売られたのだ。
私との結婚に最後まで反論していた男性、寺岡秀司さんの奮闘虚しく、私と寺岡さんの結婚はトントン拍子に進んで行ってしまったのだった。
「あの……よろしくお願いします」
「あ! は、はいっ、こちらこそ!」
「……あの」
「は、はい!」
「……」
(寺岡さん、先刻から声が上擦って慌てている)
あのお見合いの日から半年後──高校を卒業した私と寺岡さんは身内だけの結婚式を挙げた。その挙式の席で私は随分驚かされることになった。
私の方の出席者は叔母だけだったけれど寺岡さん側の身内の数が想像以上に多くて始終呆気に取られることになった。
寺岡さんはお祖父さんお祖母さん、ご両親に上から兄が二人、姉が一人、そして弟妹が三人という構成の大家族出身で、しかも既に結婚している兄姉の其々の家族も合せると親戚の数は相当な人数になった。
でもそんな環境だからこそ余計に私との結婚に関してもご家族は煩くいうことはなく、ただ『よかったよかった』『どうか息子をよろしくね』と祝福を受けたり『若い!』『兄ちゃんには勿体ない!』とからかいの言葉をもらったりした。
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