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小児科のお医者さんである秀司さんは子ども好きで優しい性格。子どもを溺愛していて、時々その過度な愛情が周りには歪んで見えたりして【幼女好き】【ショタ好き】【ロリコン】と評価されることとなり、性格も見てくれもいいのにモテないとのことだった。
(医者、子ども好き)
私にはその条件だけで充分だった。早死に家系の私がいつどんな風に体の不調を訴えるのか分からない。その時になって夫の職業が医師というのは心強い。
そして子ども好きというのも万が一子どもを残して死ぬことがあっても残された子どもを大切にしてくれるだろうという気持ちがあった。
例え秀司さんの間に本当の愛がなくても……私には好条件過ぎる結婚だと思ったから決めたのだ。
そういう決心の元、秀司さんと結婚して夫婦になった。
「……さっちゃんはそれでいいの?」
「え」
「本当に僕と……僕を夫として選んでよかったの?」
「……」
成熟した大人の彼には何もかも見透かされているような気がした。私が本当の愛を知らないままに彼を選んで結婚したことを。
「僕はさっちゃんが好きだよ」
「!」
「ちゃんと好きだから、だから結婚した。でもさっちゃんは僕に対して僕と同じ気持ちではない、よね?」
「……はい」
「……」
彼は真摯に私と向き合おうとしている。それが分ったから私も素直になろうと、ならないといけないと思った。
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