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______濃い霧が流れる。
それは海水から来たものではなく、高い崖ともいえる丘の上に据える巨大な屋敷
姫宮家からである。
______メユは玄関から中に入る。
『見ないうちに随分と錆びちまった』
割れた花瓶、ガラスをジャリジャリと踏み潰し玄関に入る。
『...』
ジャリ
『...ただいまー』
ザクッ ジャリッ
「メユ、足に破片が刺さってる。
せめて靴をはいて_______」
『黙れよっ』
「...」
ジャグッ
メユは吐き捨てるように歩く。
玄関から廊下をゆっくりと。
ジャグッ ジャグ
『...』
窓ガラスが床に飛び散っている。
外からは薄暗い月明かりが差し込んできている。
ジャグッジャ....
『...』
そして居間。メユは立ち止まる______
『...』
ガララっ
『うっ、』
『ぐ、ぐんぅっ..』
それは、メユが予想していたモノより遥かに酷い________
そこにはテーブルの上に突っ伏している骸骨と壁に向かい跪いている骸骨。
それは________
『(ばあちゃん、母さんっ...)』
「...」
「アーメン」
「あーめん」
『うるせぇ...!何がアーメンだっ!
てめぇらが蔵のバケモンさっさとぶっ殺しときゃ何百人も死なずに済んだんだよボケ!』
『見ろ、ふざけんなこれは爪の跡だ!
母さんとばあちゃんはここで苦しんでたんだぜ!?』
『ガリガリガリガリやってよぉッ!』
その瞼には涙が浮かんでおり、その様子に2人とも何も言えなかった。
『んで、この奥には父さんのドクロも眠ってやがる...!これ以上俺に地獄を味わえってのか!?』
「メユ...落ち着けよ」
『ったくなんなんだ一体...!
お前らの組織といったら_____』
「わかった、わかったから。
ことが終わり次第村人全員の墓を作ってやる。
普通はダメなんだ、でも私がやってやる」
「だから今は...殺しに集中しよう、いいか?」
『はぁ...ッ、クソっ...!』
「(ことある事にキレるのやめて欲しいなぁ...)」
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