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「クソ野郎が...13時間かけて治したんだぞ...っ」
「落ちて腕を折るって...支えられなかった私の責任です」
「いいや、あれは自分から落ちたんだ...!
床をじっと見てたぜ...!」
「っ...」
「...それと、行政の変なやつが来てる」
「チリコンカン?」
「あぁ...」
________________
コンコンッ
「____」
ガチャッ
「どうも姫宮さん、行政の者です」
行政の者?
入ってきたのは奇抜な女たちだ。
1人は黒のスーツに黒のズボンを履いたグレー髪の女。丸眼鏡をかけてる。もう1人のちっちゃい方は金の長い髪の子供。ブカブカのスーツを着てる。
「私はチリコンカンといいます。
こっちの小さいのはユーリンチ。堅苦しい話し方をします」
「よろしくです」
『_______』
グレー髪の落ち着いた声に、甲高い子供特有の声質。
2人は、チビとのっぽのような関係であった。
「酷い有様ですね。
村の唯一の生き残りというのも難儀なものらしい」
『▅▅▅▅▅▅_____』
「喋れない、動けない。何も出来ない。
それがあなたの現状です。それをよく噛み締めた上で私の話を聞いてください」
『...』
そう言って、チリコンカンとユーリンチはまる椅子に座った。
「2014年8月30...というのはもう聞いてるか」
「単刀直入に話しましょう」
「貴女はディアボロスを見ましたね」
『...ディア、ボロス...?』
「ユーリンチ、説明を」
「あい」
ユーリンチは大きな落書き帳を取り出して、私にみせた。
それは"得体の知れない何か"が描かれたものだった。
その"得体の知れない何か"が子供を食べている様子。
子供にしては精密すぎるほど絵が上手い。
「ディアボロスとはギリシャ語であくまという意味です。ディアボロスはギリシャにげんていされないです」
「かれらは敗北者です。神との戦いに負けました」
『...神?』
「そして地上、人間世界に堕落しました。
それがディアボロスです」
「正確な日時はわかりあせん。
ただ、証拠はあります」
ペラッ
「これは天使軍団を率いた大天使ミカエルの剣です。岩を貫いた状態でシベリアの雪山から発見されました」
「そして岩の上にも貫かれたものがあります。
これは▅▅▅の喉仏です。これらの証拠からこの一撃で決着が着いたと予想されます」
『今、お前...!』
「失礼、彼女もまたディアボロスに毒されたのです。あなたほどでは無いのですが」
『毒される...これはそういうものなのか』
『ということは、俺は完全に毒されてしまったということか』
カキカキ
『俺はどうすれば治る』
「ふぅん...」
「___自らを毒したディアボロスを殺す。これに限るでしょう」
『...っ』
「彼らは未だ地上世界に存在してます。人間に紛れて生きています」
「そこで提案なのですが。
もしあなたにディアボロスを憎む気持ちがあればなのですが」
「天使軍団の聖遺物、所謂武器を提供する代わり、そのディアボロスを殺して貰えますか」
「▅▅▅▅▅_____」
「...」
「当たり前だ、と言ってるです」
「(まさか快諾してくれるとは...)」
「▅▅▅▅▅▅▅...っ」
「はやくそのふざけた武器をよこせ、と言っているです」
「(よく喋るなぁ...)」
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