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「はい、これがあなたの分のおくすりです」
目の前に水と薬が置かれる。コップのコトンという音がやけに響く。
手がゆっくりと動く。薬の封を破いて右手に出す。左手にコップを持つ。薬を口に入れる。全部入れてから一気に飲むのは難しいかもしれないと思うがもう口から出したくない。水を飲む。薬を喉に、奥に流し込む。
「ようやく飲んでいただけました」
声が聞こえる。さっきの声と同じ声、さっきの音とは少し違う音。その音は嬉しそうに聞こえる。
「ではあなたが器です」
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