奇跡のおくすり

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 ぼくの母さんは世界でいちばんの薬師だ。  病気もケガもこころの傷も、どんな病も治してしまう魔法使いのような薬師。  薬草についての知識はもちろん、調合も手当てもなにもかも、母さんよりもすぐれた薬師なんかどこにもいない。  お金に困っている人からはお代を貰わず、自己管理のできない人には厳しく接する。だれにでもやさしく、だれにでもきびしい人だった。  そんな母さんに憧れたぼくは、母さんのような薬師になるのが小さい頃からの夢だった。
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