にちょにちょ岩ちゃん

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あたしの幼馴染み、岩田剛くんは、にちょにちょしている。 岩田だから、みんなには、ガンちゃんと呼ばれている。 岩ちゃんは、イケメン高校生なのに、残念な男子だ。 岩ちゃんの性格が、非常に残念なのだ。 例えば、調理実習の授業で、岩ちゃんは、トマトを切る時に、どう切るか迷いまくって、その手の中で、トマトは、にちょにちょドロドロになってしまった。 一事が万事、そういう風に、岩ちゃんは、思いきりが悪い。 つまり、にちょにちょ、いつまでも悩んでいるのだ。 「岩ちゃん、これからの人生、思い切って飛び込まないといけないこともあるよ」 あたしは、海浜実習で、海に飛び込むのを躊躇って、おろおろしている岩ちゃんに向かって言った。 「だって……怖いもん。失敗したら……」 「岩ちゃん、人生は、失敗して、なんぼだよ」 あたしは、そう言って、鼻をつまんで、海に飛び込んだ。 海の中から、あたしは、岩ちゃんに言った。 「おいでよ、岩ちゃん。あたしがいるから、怖くないよ」 岩ちゃんは、青い顔をしていたけど、決心したように頷くと、海に飛び込んだ。 「ほら、大丈夫でしょ?」 あたしがそう言うと、岩ちゃんは、バタバタ泳ぎながら、頷いた。 「う、うん。なんでも、やってみないと分からないんだね」 にちょにちょ岩ちゃん。 人生は、これからだよ。 おわり 104c188d-fa17-4a9b-89ed-22cb8a2b23ee
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