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4:情事*
「優介さん、期待してるの? ココもうこんなにしちゃってさ……」
「あっ」
押し倒され、舌を絡めた深いキスをされただけで安藤の中心は昂ってしまっていた。スラックスの上からそこを強めに握られて、思わず高い声をあげる。
仁はその尖端をひとさしゆびで楽しそうにクリクリと撫でながら、安藤に尋ねた。
「今日も前みたいに優しくして欲しい?」
(この前みたいにって……)
「後半は、全然優しくなかった……ッ」
「そうだっけ? でもそれは優介さんが可愛すぎたのがいけないんだよ。……で、今回はどうする? また優しいのがいい? それとも意地悪してほしい?」
「もう、既に意地悪してるじゃないか……」
その質問自体、意地が悪いと思う。
弱い自覚がある先端部分を好きにされて、既に涙目になっている安藤がそう言うと、仁はまた意外そうな顔をして「ごめんね。優介さんがなかなか俺に会いに来てくれなかったこと、少し根に持ってるみたい」と言った。
「え……」
「遊び人だと思われてたのもちょっと癪だし。ま、そう思われても仕方ないか」
「仁……その、」
「俺ってかっこいいし? ――ね、優介さん」
至近距離で、これ以上ないくらいの綺麗な笑みを見せつけられて、安藤は思わず息を飲んだ。
「とりあえず楽しもっか。またイイ声で啼いてね?」
*
何度も指で掻き回されてグズグズに溶かされてしまった安藤の後孔は、前回よりも簡単に仁の剛直を受け入れていた。
「はぁっ……やっぱりサイコーだよ、優介さんのナカ……!」
「あっあっ仁、じんっ!」
腰を掴まれて下半身のみを抱えあげられ、まるで犬の交尾のように繋がっている。
突き当たりギリギリのところまで仁を受け入れて内臓が苦しいのに、同時に再会できたことが嬉しくて、安藤はボロボロと歓喜の涙を零していた。
しかし涙の存在は、仁に知られる前に目の前の枕やシーツに姿を消していく。
「それに凄く解しやすかったよ。ねえ、俺と会わなかった間は1人でシてたの? それとも違う男に抱かれた?」
「じっ自分でシてた……っ! 仁以外、誰にも抱かれてなんか……あっ!」
「へえ、バイブとかも使ってなかったの?」
若いせいか、もしくは性格なのか――明け透けすぎる仁の質問に、安藤は恥じらいながらも答えた。
「そんなの持ってなっ……指で、ナカ触ってただけだっ……!」
ハロウィンの夜に仁としたアナルセックスがあまりに気持ちよかったので、通販で買おうかな……と検索したことは秘密だ。
「ふふ、じゃあ太いのは久しぶりなんだ……それなら沢山突いてあげないと、ねっ!」
「あっ! ああんっ!」
何度も何度も激しく出し入れされる。ローションでトロトロになった肉壁を擦られるたびに気持ちよくて、安藤は女性のように甲高い声をあげた。
仁の中では、優しくするという選択肢は最初から無かったらしい。けれど特に痛みを感じるでもなく、若さに任せた激しい腰つきは単純に気持ち良すぎて、安藤は恥じらいなど早々に捨て去って堂々と喘いだ。
「あーっイイッ! そこ、気持ちイイッ! 仁、もっとぉ!」
「もっと?欲張りだね!」
「ひぃっ! ああっ仁! もっと、もっと突いて! めちゃくちゃに犯してぇ……!」
「っいいよ、好きなだけあげる……!」
安藤も仁の動きに合わせて腰を振り、思う存分に快楽を貪った。最早、気持ちよくなることしか頭になかった。
「ああっ! あひぃ! 仁! じんっ! いいよぉ」
「っの、淫乱……!」
バック、騎乗位、正常位――安藤が絶頂する度に仁は体位を変えて、何度もナカに出した。勿論避妊具は忘れずに付けていたが、何度も中に出される内に、もう付けても付けなくても特に変わりはないんじゃないか――と安藤は思った。
それよりも、仁をもっと直接感じたい、と思ったのに。
「あぁ、仁! またイクぅッ……!!」
「ん、俺も出すよッ……!」
しかし仁は安藤を気遣ってか、ナマですることは一度もなかった。
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