10F レストラン街ダイニングパークフロア

1/1
前へ
/10ページ
次へ

10F レストラン街ダイニングパークフロア

「うわぁ、フランス、イタリア、中国、台湾、ベトナム、アメリカ、インド、韓国、日本。どうしよっか、迷うね〜」 「もはや、食のテーマパークだよね」   お昼少し前の早め時間に、レストラン街で楽しそうに話しているのは、お友達同士でやってきたOLさんたち。  楽しそうにどこに入ろうか、お喋りしています。 「野菜いっぱい食べたいから、ベトナムかな」 「えー、なら韓国料理もいいよね」  ワイワイと楽しそうですが、一向に決まりません。じゃんけんでもするのかな、と思ったら。 「じゃあ、誰も選ばなかった天ぷらね。並んでないし。美味しそう」  一人が言うと、文句と賛同でまたまた賑やかに。  でも、そこは仲良しグループ。楽しそうに天ぷら屋さんに入って行きました。  次にやって来たのは、二十代のお嬢さんとお母さんの組み合わせ。 「お母さん普段出歩かないから、お母さんが好きな所に入ろう」  お嬢さんが、そうお母さんに話しかけています。  お母さんは鼻を、をスンスン、とさせました。 「いい香り! ここにしましょう!」  お母さんが選んだのは、インドカレーのお店でした。ショーケースにある色んな種類のカレーを覗き込みながら、軽い足取りでお店に入っていきます。 「絶対ここ! 僕、グラタンとハンバーグのセットにする!」 「パンケーキもあるねぇ、あ、クリームソーダもある」  元気な声で話しているのは、男の子のご兄弟。  二人共、小学生の低学年かな?  お父さんとお母さんがニコニコしながら立っています。  お父さんがショーケースのビールを指差すと、お母さんが人差し指でバツを作ります。男の子たちも「ブブーッ」と口々にブザー音を発しています。頭を搔いたお父さん、次に大きなエビフライを指差すと、お母さんからマルを貰ったみたいです。  そんなお母さんは、ビーフシチューを指差します。男の子たちは両手でマルを作り、家族は笑いながら、楽しそうに洋食店に入っていきました。  お昼時です。  どこも長蛇の列です。  あちこちから、いい香りが漂ってきます。  お店のシェフ、コックさん、板前さん。  皆さん張り切って、腕を奮っています。  腹ペコさんたちのお腹を満たす準備は万端です。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加